睡眠

睡眠不足と5つのリスク|寝不足は87の病気の原因に!?

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睡眠の専門家の依田恭平です。

「寝ない事が美徳」

こんな風に考えられていたのは、ひと昔前の高度成長期の頃の話です。

今や睡眠は健康を保つために重要な役割を果たしているとのは、みなさんが知る所だと思います。

しかし、忙しくなると途端に疎かになるのが睡眠です。

厚生労働省の国民生活調査によると、現代人の4人に1人(3人に1人という説もある)が睡眠に問題を抱えているというデータも出ています。

では、睡眠不足が招くリスクとはどのようなモノがあるのでしょう?

今日は睡眠不足が引き起こすリスクについて書いていきます。

目次

睡眠不足が招く5つのリスクとは?

ストレスを抱えやすくなる

睡眠不足の時は、ストレスに対処する力が弱くなります。

メカニズムとしては、身体にストレスがかかると、副腎から分泌されるコルチゾールという抗ストレスホルモンが過剰に分泌され、ストレスを対処しようとします。

しかし、ストレスの原因自体が消えないと、

ストレスがかかる→副腎からコルチゾールが出る→ストレスをやっつける

というこのサイクルが永遠と繰り返されるため、最後は副腎が疲れ切ってしまい、コルチゾールが出せなくなると、私たちはストレスに対処できなくなり、抱えやすくなります。

生活習慣病(高血圧と糖尿病)

睡眠不足は様々な生活習慣病を引き起こしますが、中でも代表的なモノが高血圧と糖尿病です。

睡眠不足の状態は、自律神経の乱れを引き起こし、日中などの活動的な時間に働く交感神経が常時優位になります。

それに伴って、先に書いた副腎ホルモンの『コルチゾール』や『カテコールアミン』の分泌が増加し、血圧と糖尿病のリスクが上昇します。

アメリカのシカゴ大学保健学部の研究者の実験によると、睡眠時間が6時間と5時間のグループを比較すると、5時間のグループが高血圧になる割合が37%も高かったという発表がされています。

また、韓国のソウル大学医学部の研究チームが行った調査によると、睡眠時間が6時間未満の人はメタボリックシンドロームや2型糖尿病のリスクが上昇するという事が分かった。メタボや糖尿病のリスクがもっとも低いのは睡眠時間が7〜8時間の人で、睡眠時間が6時間未満の人や、10時間を超える睡眠過多の人でリスクが上昇するという、U字型の分布を示すことが示された。

つまり、睡眠時間が短い人ほど、高血圧や糖尿病になるリスクが高いと言えます。

免疫力の低下

睡眠中は、一日の活動で疲労した身体を回復する時間であり、白血球やサイトカインと言った、免疫システムを強化する時間でもあります。

しかし、寝不足の状態が続くと、身体を修復する時間が作れないため、免疫力の低下を招きます。

米国医師会の論文に、睡眠と免疫について調べた内容があります。

「21〜55歳の男女153名を対象に、2週間分の睡眠データをとった後、風邪のウイルスを鼻から投与して5日間で何人発症するか実験した。その結果、平均睡眠時間が7時間未満の人は、睡眠時間が8時間以上の人と比べ2.94倍も風邪にかかる確率が高かった。」

この結果から、睡眠不足は風邪だけでなく、様々な病気のリスクが上昇する事が容易に想定できる事でしょう。

気分・不安障害

睡眠不足は、情緒やメンタルなどの心の健康にも大きな影響を与えます。

睡眠時間が6時間未満になると、次の日の日中に強い眠気を感じるようになります。

その結果、

  • 疲労感
  • 集中力の低下
  • イライラ
    etc...

日常生活にこのような問題となって現れます。

国立精神・神経医療研究センターの三島和夫部長の研究グループによると、5日間の睡眠不足により、ネガティブな情動刺激(他人の恐怖表情)に対して、左扁桃体の活動が亢進することが分か、その一方で、ポジティブな情動刺激(幸せ表情)に対する扁桃体の活動性は変化しなかった。という事が分かっています。

つまり、睡眠不足が続くと、ヒトは幸福感を感じられなくなり、不安や恐怖に反応してしまうと言う事です。

認知機能の障害

睡眠不足が引き起こす、脳への影響もとても大きいモノがあり、物忘れや記憶力の低下、集中力の低下だけでなく、認知症のリスクを上昇させます。

アルツハイマー型認知症という病気の原因に、“βアミロイド”(アミロイドベータ)というたんぱく質の蓄積があります。

このβアミロイド(アミロイドベータ)が脳の神経細胞が破壊するのです。

2015年に学術誌の「ネイチャー・ニューロサイエンス」でも、睡眠不足が続くと脳内にアミロイドβの蓄積が進み、睡眠の質を悪化させ、それによってさらにアミロイドβが溜まりやすくなり、悪循環を引き起こす。という論文が発表され話題を呼びました。

これは高齢者だけの問題ではなく、若年性認知症(65歳未満の人が発症する認知症)が昨今増加しているのは、日本全体が睡眠不足だからだと言う証拠にもなります。

睡眠不足は87の病気のリスクの可能性が!

上記にあげた意外にも、睡眠不足によるリスクは色々あります。

  • 体重の増加(太りやすい体質)
  • 事故の増加
  • がん
  • 心筋梗塞
  • 脳卒中
  • 動脈硬化
    etc...

これら意外にも、睡眠不足はおよそ87の病気のリスクの可能性が示唆されている。

睡眠の質を改善してリスクを減少させる方法

睡眠の質を上げて、あらゆるリスクを減少させるには良質な睡眠を取る必要があります。

私が今まで、述べ5万人以上のクライアントに実施してきた、睡眠習慣を上げる内容は、どれも取り組みやすい内容なので、ぜひ参考にしてみてください

まとめ

  • 睡眠不足はストレス、生活習慣病(高血圧・糖尿病)、免疫力の低下、気分・不安障害、認知機能の低下のリスクを上昇させる。
  • その他、体重の増加、事故の増加、がん、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化などの、およそ87のリスクの可能性がある
  • 睡眠の質を改善して、良質な睡眠を得る事でリスクを減少させる事ができる

以上が睡眠不足によるリスクの解説です。

ぜひ参考にしてみてください。

睡眠と中医学の専門家
依田恭平

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