西洋医学というのは皆様がご存知の現代の病院で行われている内科や外科の医療などです。
薬や手術などを行う現代医学は中世ヨーロッパで発展し、19世紀頃から現代まで高度な技術を伴って発展してきました。
一方東洋医学と言うのは、インドのアユールヴェーダや中国の中医学を主に東洋で発展してきた伝統医学を指します。
東洋医学の歴史はとても古く、西暦紀元前後2世紀頃からとも言われています。西洋医学が300年程の歴史対して、東洋医学は実に2000年以上の歴史がある事になります。
今日は東洋医学の中でも、中医学に焦点を絞り、どんな資格と仕事があるのかを書いていきたいと思います。
目次
そもそも中医学とは?

日本では漢方医学が中医学だと思われているケースが多いですが、日本でよくみられる漢方医学は中国の影響を受けて日本で独自に発展したものであり、中医学とは診断方法や理論、生薬の投薬量などは明確な差がある別物となります。
中医学は中国で発生したとても長い歴史を持つ医学であり、中国伝統医学とも呼ばれており、患者の身体全体を診察して、いくつかある症状から「証」を見立てて治療するというもの。
生薬を用いて人間本来の自然治癒力を引き出して治癒します。病を発生する前の事前予防の概念もある医学です。
診断は四診によって行い、西洋医学のようにレントゲンなどの放射線機械や採血検査は行いません。
歴史の実証に基づいた莫大なデータや先人の叡智を用いた伝統的な診断方法を取ります。
西洋医学の目で病巣が分かるというスタイルでは無いので、医学界に於いてはどうしても西洋医学が主流の医学と思われがちですが、ではその病巣は一体何が原因で発生したのか?
中医学は、結果を取り除いても根本的解決ではなく、原因を取り除く事が強いては結果に繋がり解決に至るという概念なので、予防、自然治癒、身体全体の病という観点から見ても中医学は大変素晴らしく、現代人に欠かせない医学なのです。
中医学の3つの特徴

①整体観
整体観とは、人間は自己の体内の五臓六腑それぞれから影響を受け、体外の自然からもまた影響を受けて生きているという概念です。
身体の各器官は歯車のように連動する事で正常に動くことが出来ていて、1つでも歯車が狂うと全てが不協和音を唱えだします。
西洋医学の結果を見る診断ではなく、そもそも原因となる狂いは何処から生じたのか、根本的な原因を探り出してその原因と結果を治療していきます。
伝統中医学が、"バランスの医学"と呼ばれる以です。
こちらの記事に、より分かりやすく書いてあるので、ぜひ読んでみてください。
②弁証論治
弁証論治とは整体観を活用して身体不調の根本原因やそれに至るまでのプロセスを読み解き、現状身体がどうなっているのかを探って(証を立てる)一番ベストなコンデションに持って行く治療方法を選出することを言います。
例えば頭痛が酷い場合、極度の肩凝りから影響したケースと発熱から影響したケースでは治療法は変わります。
この場合は同病異治という言葉を使いますし、胃痛と頭痛は異なる症状ですが、それがもし、ストレスが原因の場合は異病同治という言葉が当てはまり、違う病でも治療法はストレス緩和となり同じ治療法になるということです。
③未病先防
整体観のアイデアから、原因と結果を探り出していくのですが、そもそも原因を見極めて結果まで発展しないように予防して病を防ぐ、基礎代謝や自然治癒力を高めて病気にならない予防医学のことを言います。
中医学では、上記のような中医学の考え方をもとに体や病気の状態を診て、治療方針を決定し、それに応じて気血津液や経絡、五臓六腑を調節する経穴(ツボ)を選択し、治療を行います。
中医学にはどんな仕事があるのか

中医学に興味を持って、晴れて中医師になれた人はどういう活躍の場があって一体どのような仕事内容なのか書いていきます。
活躍できる場所
国内
国内では中医学師は国家資格ではありませんので、中医学の資格を保持していても医師として働ける資格はありません。
鍼灸師の日本の国家資格や柔道整復師などの国家資格を別で取得して鍼灸院に務めたり、経営者になったりする場合や無資格扱いにはなりますが、中国整体院に務めたり、経営者になるなどが主体となります。
海外
海外の場合は中国では中医学師は医師と同等の扱いとなります。
中国人にも沢山中医学師がいますので、中国人相手では語学の問題からローカルの人と対等に働くのはとても厳しく狭き門となりますが、日本の駐在員相手として日本語で中医学師として働く事も可能です。
その他
その他の海外では日本と同様に殆どの国が中医学師の免許があっても現地の医師免許がないと医師と同等に働く事は出来ませんが、
例えばアメリカ国内ではワシントン州を筆頭に東洋医学も保険適用となるなど、国や州で国際中医師を認可する所もあります。
仕事内容
中医学の免許内容にもよりますが、漢方、薬膳 、気功、推拿、中医内科、鍼灸などをマスターした場合は日本で同等の国家資格があれば、更に全ての知識と技術の向上からより専門的に治療院でマッサージ師などとして保険適用での施術が可能となります。
また、日本の国家資格が無い場合は無資格ながらも治療院とは別になりますが、トリートメント、リラクゼーションサロンとして保健の適用外にはなりますが、技術を顧客に提供する事が可能となります。
中医学の資格は何があるのか?

中医学師としての資格は、中医師・国際中医師(中国政府の「世界中医薬連合会」が認定する資格)という資格が、中国政府公認の国家資格となります。(適用は主に中国圏)
その他には
・国際針灸師資格
・国際中医按摩推拿師資格
・国際薬膳管理師資格
などがあります。
資格を取る方法

国内学校
①中医学アカデミー
②遼寧中医薬大学附属 日本中医薬学院 代々木教室
③日本中医学院
④黒龍江中医薬大学日本校
⑤イスクラ産業株式会社
⑥上海中医薬大学付属日本校
国内通信教育
①中医学アカデミー
②薬膳アドバイザー養成通信講座 楽学ネット
など
認定講座
私が学んでいた、一般社団法人国際伝統中医学協会も薬膳・未病治診断士、推拿施術士養成講座など様々な中医学の認定資格取得の講座があります。
まとめ
中医学を実際に日本で学ぼうと思われるニーズは、医療関係者や薬剤師を始め鍼灸や整骨院などの施術師、セラピストが多いようです。
西洋医学と異なり予防医学が発達している東洋医学の中でも中国の膨大な歴史と民族による圧倒的な統計学に基づいた中医学を学んで人間の根本となる身体を学ぶ事は大変勉強にもなり、自身のスキルアップとなるのでおすすめです。
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