睡眠の専門家の依田恭平(よだきょうへい)です。
厚生労働省の国民生活調査によると、現代人の三人に一人が何かしら睡眠に悩みを抱えているというデータが発表されています。
仕事に家事に育児に忙しく、24時間やることが尽きない現代人には当然の結果なのかもしれません。
ここで、大切な考え方を教えてくれているのが中医学です。
中医学は2000年前から続く伝統医学であり、『人間は宇宙の一部であり、自自然の一部である』という哲学が根幹にあります。
つまり、ヒトが自然界のリズムを無視すると病気になるという考え方であります。
そこで今日は、睡眠障害を中医学の視点から考えていきたいと思います。
陰陽思想という考え方

睡眠障害と中医学を考えた場合、陰陽思想という考え方が大切にります。
陰陽思想とは、万物は全て表裏一体であり、陰と陽に分けられるという思想です。
光があるから闇の存在があり、女がいるからこそ、男という生命の存在がある。
このように、この世の中の全てのものは相反する二つの存在によって成り立っています。
人間のリズム、いわゆる体内時計は自然が持つ一日の陰陽の変化に対応していると中医学では考えています。
陽気が盛んな日中は活動的になり、陰気が盛んな夜間には睡眠をとる。
これが2000年前から続く人間の自然なリズムなのです。
就寝は23時がボーダーライン

ではなぜ、現代人に睡眠障害が多いのかというと、文明が発達したことで24時間活動できる時代になったことがあげられます。
中医学では、夜は陰を潤し、守る時間です。
つまり、身体の水分を適正に保ち、免疫力あげ、身体を回復する時間だと考えられています。
日を跨ぐと一気に身体が渇き出すと言われており、夜更まで仕事をしている人は、身体から水分が失われ、体力が失われ、免疫力が落ち、病に傾いていきます。
人間は自然と共に生きる生命体なので、不自然な生活をすればするほど、体調を崩しやすくなるのは自然の摂理に反しているからです。
睡眠障害は中医学の考え方を取り入れることが、とても大切です。
大切なのは陰と陽のバランス

睡眠障害を中医学で改善する際に大切なのが、陰気と陽気のバランスを保ち、両方の気が充実していることが肝心です。
どちらかが、多くても少なくても一方の勢いを抑えきれなくなるのです。
中国最古の医学書と呼ばれている黄帝内径の中の霊枢には「陽氣盛則瞋目.陰氣盛則瞑目.」(陽気が盛んであれば、目はすっきり見開き、陰気が盛んであれば、瞼は重くなり閉じる)と書かれています。
陰気が少なすぎたり、陽気が強すぎたりすると、眠りが浅くなり、酷い場合は、不眠になったりする。逆に陽気が弱すぎたり、陰気が強すぎたりする場合は、ちゃんと睡眠をとっているのに昼間眠たくなったりするのです。
夜は休息をする時間であると共に、日中は活動する時間です。
日中に活動量が少なすぎると、それはそれで陰陽のバランスが崩れるので睡眠の質に影響をしていきます。
現代人は1日中椅子に座っていたり、デスクワークが中心のライフスタイルになりがちです。
動くときには動く、休むときには休む。
睡眠障害を中医学で解決するには、規則正しい生活とメリハリこそが鍵となります。
まとめ
- 現代人の睡眠障害は中医学の陰陽思想(自然思想)を取り入れることが大切
- 23時が睡眠時間のボーダーラインである
- 日中は活動し、夜間はしっかり睡眠を取るメリハリのある生活をっこ路がけること
睡眠障害は中医学の思想を取り入れると解決!
忙しい現代人には自然と共にリズムを刻む意識はとても重要である。
睡眠の専門家
依田恭平