睡眠の専門家の依田恭平(よだきょうへい)です!
睡眠の専門家として、日々様々な人の睡眠相談に乗るのですが、「費用をかけずに手軽に取り組める睡眠改善法はないですか?」
こんな風な相談を受けることも非常に多いです。
確かに、費用をかけてサプリメントや快眠グッズを取り入れれば、良質な睡眠を取ることができますが、何もお金をかけなければ改善しない訳ではありません。
2000年前から続く、伝統中医学の養生法を取り入れると日常生活を整えることで睡眠の改善が十分可能です。
そこで今日は、伝統中医学から学ぶ、睡眠の養生法をお伝えします。
目次
養生法とは何か?

養生法(ようじょうほう)とは、健康を維持したり健康を管理したりして長寿を全うするための方法の総称。 主に東洋医学の文脈などで使われる表現。 ちなみに、江戸時代前期の思想家である貝原益軒(1630-1714)が養生法について記した書物として『養生訓』がある。
引用元:weblio
つまり、養生法とは現代風にいうと「生活習慣を見直し、改善すること」だと言えるでしょう。
現代人は24時間365日、仕事に家事に育児に常に忙しく、どうしても生活習慣が乱れがちです。
だからこそ、お金を出してサプリメントや快眠グッズを取り入れるよりも前に、養生法を実施することの方が大事だと言えましょう。
中医学における睡眠の位置付け

睡眠の養生法について書く前に、睡眠は中医学ではどういう位置付けなのかを説明します。
「睡眠」「運動」「栄養」
この3つが健康な体を作るという話は、あなたも一度は聞いたことがあると思います。
中医学では、この中で睡眠が一番優先順位が高いと言われています。
睡眠は「気」を補う時間であり、睡眠がうまくとれていないと、「気」を補うことができません。
気とは生命エネルギーとイコールなので、眠れないということは、体の疲労は取れず、次第に弱ってきてしまいます。
なので、睡眠は養生法を取り組むことこそ、健康への第一歩なのです。
こちらの記事も中医学と睡眠について書いた記事なので、ぜひ参考にしてみてください。
睡眠養生法は温補がオススメ

今回ご紹介する睡眠の養生法は「温補(おんぽ)」です。
温補とはその名の通り『温め補う療法』で、温薬を用い寒冷の症状に対処し、温める力を補充することを指します。
現代の睡眠学でも伝統中医学でも、就寝時は体温を下げることで良質な睡眠が取れると考えられています。
体温を上手に下げるためには、就寝前に一度体温をあげておいて、体の体温調節の力を使って、自然に体温を下げていくことが望ましいです。
適度に体温が下がると、睡眠ホルモンや神経を鎮静化することができるので、良質な睡眠を得ることができます。
そこで、今回は体を温める睡眠の養生法として、入浴方法をご紹介します。
温冷浴
温湯と水湯を交互に入る入浴法です。
初めは温湯に入り、次に水湯。これを何度か繰り返し、最後は水湯で終わりましょう。
すぐにタオルで足をよく拭き、靴下で保温するとポカポカになります。
足湯
バケツに少し熱めのお湯を入れ(45℃前後)その中に足を入れます。
バケツのお湯の温度が下がらないように、お湯を付け足せるようにしておくと良いでしょう。
足以外の上半身は厚めに衣類を着ておいて、体が冷えるのを防ぎましょう。
半身浴
40℃前後のぬるま湯に、まずは肩まで浸かります。
肩が温まったら上半身をお湯からだし、そのまま20分ほど浸かります。
ゆったりした気分で浸かることでリラックスでき、快適な睡眠に入れるでしょう。
途中で肩が寒くなったら、再度肩まで浸かるか衣類を着てみてください。
その他の睡眠養生法

ツボ押し
温補以外の睡眠養生法としては、こちらのツボ押しも非常に有効です。
ツボは即効性があるので、忙しい人でも寝る前に少し押すだけで良質な睡眠を得ることが可能です。
快眠12カ条
また、現代の睡眠学で実施されている生活習慣の改善法も有効です。
こちらは厚生労働省も推奨している快眠12カ条で、費用をかけずに実践できる睡眠の養生法です。
ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
- 費用をかけない睡眠改善法には、睡眠養生法がお勧め
- 睡眠時間は生命エネルギーである「気」を補う大切な時間である
- 睡眠養生法には「ぬるま湯」「足湯」「半身浴」などの温補(おんぽ)が良い。
- 即効性のある「ツボ押し」、厚生労働省が推奨している「快眠12カ条」も有効である。
睡眠の養生法を取り入れて、今日から快眠体質になろう!
睡眠の専門家
依田恭平