睡眠の専門家の依田恭平(よだきょうへい)です。
「朝スッキリ起きられない」
「寝ても疲れが取れない」
日々睡眠の相談に乗る中で、こんな症状でお悩みの方は非常に多いです。
しかし、実はこれらの症状が睡眠の問題だとは限りません。
睡眠問題と非常によく似た症状として、副腎疲労症候群というものがあるのをご存知でしょうか?
今日は副腎疲労症候群と睡眠に関して書いていきます。
目次
副腎疲労症候群とは何か?

腎臓の上にある小さなピラミッド型の臓器のことを副腎と言い、抗ストレスホルモン(コーチゾール)を分泌する役割があります。
体にストレスがかかると、副腎よりコルチゾールが分泌され、ストレスに対処しようとするのですが、ストレス自体の原因がなくならない場合、副腎が永遠とコルチゾールを分泌することになるので、やがて疲弊し対処できなくなるのです。
メカニズムとしては以下の通りです。
- ストレスを脳の視床下部がキャッチ
- 下垂体から副腎皮質刺激ホルモンを分泌
- 副腎からコルチゾールが分泌
- ストレスに対処
以下ストレスの原因自体が消えない場合、このループが繰り返されます。
副腎疲労の症状

副腎疲労症候群は睡眠の問題をはじめ、以下のように非常に色々な症状を引き起こします。
- 朝起きられない
- 夜に寝つきが悪くなる
- 日中にダルイ、倦怠感
- 疲れが取れない
- やる気や気力の減退
- うつ症状
- 集中力の欠如
- 物覚えが悪くなる
- 糖分が欲しくなる
- 強烈にカフェインを欲する(日中に眠気が出るため)
- 夕方に目が覚め出す
- PMSが強くなる
これらの内容が4つ以上該当した人は要注意、8つ以上該当した人はよう改善です。
副腎疲労と睡眠問題

副腎疲労と睡眠問題についてもう少し深堀します。
低血圧や低血糖で朝起きられないという話は有名ですが、これは実は副腎疲労症候群で、コルチゾールが分泌されなくなった『低コルチゾール症』の可能性があります。
また、「私は夜型だから夜眠れないんだ!」とおっしゃている人もいるのですが、副腎が疲労すると本来朝方〜起床時にかけて分泌が最大となるコルチゾールが、
夜に分泌されることがあるので、逆に体温が上がって眠れないということがよくあります。
副腎が疲労するとコルチゾール以外にも
- アルドステロン(血圧の調整)
- DHEA(抗酸化作用)
- 性ホルモン(性欲の減退・整理不順)
これらのホルモンも比例して分泌が悪くなるので、様々な症状が出てくるのです。
つまり、様々なホルモンのバランスが崩れることで、巡り巡って睡眠にも問題が出てきます。
副腎疲労症候群の改善方法は?

副腎疲労症候群で睡眠が悪い場合は、まず副腎疲労外来で適切な検査をすることが大切です。
検査方法としては主に「血液検査」と「唾液検査」でコルチゾールの分泌量や日内変動の状態をみてきます。
その上で、ビタミンやタンパク質など栄養療法を行って、症状を回復させていきます。
また、睡眠不足の場合、ストレスに対処する力が弱くなるので、規則正しい生活習慣を送ることも大切です。
こちらは、厚生労働省が推奨している快眠12カ条というガイドラインをですが、参考にしてみてください。
まとめ
- 副腎疲労症候群は睡眠障害と非常によく似た症状が出る
- 副腎疲労症候群の原因はストレス
- 副腎が疲労すると、低血糖・低血圧を招くので朝が起きられなくなり、倦怠感や疲労感と言った症状が出てくる
- 副腎疲労症候の疑いがある人は、副腎疲労外来で検査すると良い
副腎疲労を改善して睡眠障害を乗り切ろう!
睡眠の専門家
依田恭平