睡眠の専門家の依田恭平です。
睡眠時間と睡眠の質に関しては、誰しも一度は気にするところだと思います。
「8時間睡眠が取れていれば大丈夫なの?」
「睡眠の質を高めれば、睡眠時間は短くても良いの?」
私の元にも日々こういった内容の相談は寄せられてきます。
そこで今日は、睡眠時間と睡眠の質の関係性を書いていきたいと思います。
目次
睡眠時間と睡眠の質の関係性

結論から言うとNOです。
睡眠の時間も必要ですし、睡眠の質も大切です。
ただし、ある程度は睡眠の質を高める事によって、リカバリーできるというのが私の答えです。
翌日の目覚めがスッキリするような、熟睡感はどうやって手にれるのかというと『時間×質』で決まります。
これは点数で表すと分かりやすいです。
例えば、睡眠時間はしっかり取っているけど、就寝前にスマホを触っていたり、目が冴えるような行動をしていて、質が低い状態だと…
7時間(睡眠時間)×10点(睡眠の質)=70点
こんな感じに良質な睡眠は取れません。
ただ、逆に睡眠時間が短くても、睡眠の質を高めることで...
5時間(睡眠時間)×80点(睡眠の質)=400点
こんな感じにリカバリーすることは可能です。
睡眠の質を高めた方が健康にも美容にも効果的

また、シカゴ大学の睡眠研究チームではこんな比較実験があります。
- 睡眠時間をただ確保しただけのグループ
- 睡眠時間よりも、睡眠の質を高める事にした取り組んだグループ
この両グループを比較した結果、睡眠の質を高める事を追求したグループの方が、あらゆる面で、健康にも美容にも良い効果が生まれた。という結果が出ています。
睡眠時間が5時間がデッドライン

とはいえ、睡眠時間を削るにも限度があります。
2005年に発表されたアメリカの研究では、53~93歳の男女1,486名を対象に調査を実施。
睡眠習慣に関する質問票に回答してもらい、 さらに糖尿病に関する検査を実施して「糖尿病と睡 眠時間の関係性」を調べました。
その結果、睡眠時間7~8時間の人に比べ、5時間以下の人は糖尿病の発症リスクが2.5倍となり、 6時間以下の人では1.7倍となるという結果に。
また、がん、動脈硬化、心筋梗塞、生活習慣病にも2.7倍罹患率が上がったそうです。
つまり、睡眠時間が5時間を切り出すと、質でカバーできなくなるという事です。
デッドラインは5時間という事を覚えておきましょう。
まとめ
- 良質な睡眠=「睡眠時間×睡眠の質」で決まる
- 睡眠の質を高める事で、多少の睡眠時間はカバーできる
- 睡眠時間<睡眠の質を重視たグループの方が、健康も美容も良い結果になった
- 睡眠時間が5時間を切ると、病気のリスクが2.7倍上がる
ぜひ参考にしてみてください
睡眠と中医学の専門家
依田恭平