睡眠の専門家の依田恭平(よだきょうへい)です。
日々多くの眠れない人の相談に乗っていると「私って不眠症なのよね」とクライアントの方から申し出てくるケースもしばしばあります。
しかし、不眠症と一言に言っても様々な種類があるのと、不眠症にも定義があります。
今日はそのあたりの内容と不眠症チェック方法について書いていきます。
目次
そもそも不眠症とは

不眠症とは、睡眠障害の中の1つで、夜寝つきが悪かったり、眠りが浅かったり、朝早くに目が覚めてしまうことで、日中の眠気、注意力の散漫、倦怠感、慢性的な疲労状態などの様々な体調不良をきたしてしまう状態を指します。
日本人の約5人に1人が不眠症状で悩んでいると言われており国民病とも言われる症状です。
女性に比較的多く発症し、加齢とともに生じやすいという特徴があります。
不眠症だと思っていない人が、実は不眠症に該当するケースも多々あるので、睡眠に問題を抱えている人は一度、不眠症チェックで確かめる必要があります。
不眠症のタイプ

不眠症のチェックをする前にタイプを見ていきましょう。
不眠症のタイプは以下のようなものがあります。
- 入眠困難
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
- 熟眠障害
入眠困難
ベッドに入ってから30分~1時間以上眠りにつけない。
中途覚醒
眠りについても朝を迎えるまでの間、夜中に何度も目が覚めるケース
早朝覚醒
自分が目覚めたい時刻より、2時間以上前に目が覚め、その後眠れない状態。
熟眠障害
眠りが浅く、熟睡感が乏しい。寝ても疲れが取れないなど。
不眠症の原因とは?

不眠症の原因は様々ですが、大きく分けて下記の4つに分けられます。
- 環境要因
- 身体要因
- 精神要因
- 生活習慣要因
環境要因
海外や旅行など時差がある場所、枕やその他の寝具が変わる、夏や梅雨の時期の暑さ、騒音、明るさなどの影響
身体要因
加齢による睡眠の質の低下、性差(女性>男性)、頻尿、怪我などの痛み、アトピー等のかゆみなど
精神要因
悩みやイライラ、不安感や緊張からくる精神的ストレス、睡眠に対する強いこだわり
生活習慣要因
酒(アルコール)、タバコ(ニコチン)、コーヒーなどのカフェインの摂取、薬の副作用、運動不足など
不眠症チェック方法

不眠症チェックには、アテネ不眠尺度という方法を用います。
下記の質問を過去1ヶ月間で、少なくとも週3回以上経験した状態を点数化します。

上記採点の結果、
6点以上→不眠症の疑いがある
4〜5点→不眠症の疑いが少しある
3点以下→不眠症の心配なし
不眠症チェックを実施した結果、「疑いがある」に該当する人に関しては、一度睡眠外来を受診して、正しく原因を調べる必要があるでしょう。
まとめ
- 不眠症は睡眠障害の一つであり、睡眠中になんらかの問題があった結果、日中に支障をきたしてしまう状態を指す
- 不眠症には、「入眠困難」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」の四つのタイプがある
- 原因は「環境要因」「身体要因」「精神要因」「生活習慣要因」に分けられる
- 不眠症チェックは簡易的にアテネ不眠尺度でチェックできる
参考になれば幸いです。
睡眠の専門家
依田恭平