睡眠の専門家の依田恭平です。
「眠れないから毎日睡眠導入剤を飲んでいます。」
このように、中々寝付けないことがストレスで
仕方なく睡眠導入剤を常用している人は数多くいらっしゃいます。
しかし、この状態はやはり健康・健全とは言えず
睡眠導入剤のリスク面も頭に入れておかないといけません。
そこで今日は、睡眠導入剤のリスクついて書いていきます。
目次
睡眠導入剤とは何か?

日々の睡眠が不十分だと、私たちの体や精神は疲弊してしまいます。
心身の疲労が十分に回復しない場合、集中力の低下や自律神経症状などの問題を引き起こす可能性があるのです。
なので、睡眠の状態を整えることは、私たちが健康な体を保つために必要不可欠だと言えます。
睡眠導入剤は、大きく分けて以下の5種類のお薬が販売されています。
非ベンゾジアゼピン系
超短時間型:マイスリ―・アモバン・ルネスタベンゾジアゼピン系
超短時間型:ハルシオン
短時間型:レンドルミン・エバミール/ロラメット・リスミー・デパス・
サイレース/ロヒプノール
中間型:ユーロジン・ベンザリン/ネルボン
長時間型:ドラールメラトニン受容体作動薬:ロゼレム・メラトベル
オレキシン受容体拮抗薬:ベルソムラ・デエビゴ
バルビツール酸系:ラボナ・イソミタール
参考:元住吉こころみクリニック
※バルビツール酸系は古いお薬で安全性が低く、使われることは稀。
睡眠導入剤の効果効能とは?

睡眠導入剤には、脳の機能を低下させるタイプのものと、自然な眠気を諭すタイプのものの2つに分けられます。
現在では、脳の機能を低下させるタイプのものが主流で使われていますが、後者の自然な眠気を諭すタイプも増加傾向にあります。
睡眠導入剤を使用することで
- 睡眠時間の増加
- 睡眠の質への改善
などの効果効能が期待出来ますが、それらの影響はお薬によっても異なりますし、個人に健康状態によっても変わってきます。
睡眠導入剤のリスクとは?

では睡眠導入剤にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
フランスで行われたあるコホート研究では、平均年齢78歳の地域住民1000人以上を対象にして、ベンゾジアゼピン受容体作動薬を服用している高齢者と服用していない高齢者を最長15年にわたって追跡した調査があります。
調査結果は、服用している高齢者の方が服用していない高齢者に比較して1.5倍、認知症にかかりやすいことが明らかになりました。
その他にも、認知症発症の危険性は用量と服用期間に比例して高まること、半減期の長い薬剤で危険性が高いこと、当然ながら高齢者はハイリスクだということが分かっている。
まとめ
睡眠導入剤の長期服用はできる限り避けたい反面、それがないと眠れない人が多いのもまた事実です。
解決方法は、正しい睡眠習慣を実施し、軽快とともに量を減らしていくことが大切です。
- 睡眠導入剤には、非ベンゾジアゼピン系・ベンゾジアゼピン系・メラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬・バルビツール酸系などの種類がある
- 脳の機能を低下させるタイプのものと自然な眠気を諭すタイプのものがある
- 睡眠導入剤の長期服用は認知症のリスクを高めることが分かっている
夜中目が覚めるトイレの症状で困っている人がいたら、ぜひ参考にしてみてください。
睡眠の専門家
依田恭平