睡眠の専門家の依田恭平です。
睡眠の質を上げるために
多くの人は寝る前の
ブルーライトをカットしたり
入浴で体を温めたりしますが、
しかし、睡眠の質を上げる鍵を
握るのは実は朝食なんです。
今日は、
睡眠と朝食の関係について
書いていきます。
目次
睡眠の質の正体とは?

まずそもそも睡眠の質とは
何なのかを説明します。
睡眠の質とは、
通称「睡眠ホルモン」と呼ばれている
メラトニンホルモンのことです。
(以下:メラトニン)
メラトニンは脳の松果体で
分泌されるホルモンで、
起床後14時間〜16時間後、
つまり夜間に分泌されます。
メラトニンは、
血圧や体温を下げるように調整し、
身体を休息モードに
切り替える働きがあるので、
このホルモンの分泌が不十分だと、
寝つきが悪くなったり、
ぐっすり寝たきがしなかったり
様々な睡眠の問題を引き起こします。
メラトニンは年齢によって減少する

問題はこのメラトニンは、
年齢によって分泌量が減少するという点です。
分泌量が減少するということは、
当然睡眠の質は浅くなり、
疲れも取れなくなります。
例えば、高齢になってくると、
「日によって、2時間も寝つけない日がある」
「トイレに2回も3回も起きてしまう」
あなたもこういった悩みを
一度は耳にしたことがあると思います。
これはメラトニンが減少したことで、
睡眠の質が下がっているのです。
ちなみに、このメラトニンは
何歳から低下するのかというと...

なんと10歳なんです。
つまり、10歳以降は
メラトニンを意図的に作らない限り、
私たちは良質な睡眠を
取ることができないのです。
睡眠の質を上げる
唯一の方法が食事であり
朝食なのです。
メラトニンの作り方

メラトニンは、
トリプトファンという物質を
朝に摂取することで
作ることができます。
ただし、
トリプトファンはいきなり
メラトニンに変わる訳ではなく、
トリプトファン→セロトニン→メラトニン
という段階を踏まえて生成されます。

この項では具体的な作り方を解説します。
手順1:朝食でトリプトファンを摂取する

トリプトファンは
体内で作られないので、
朝食でトリプトファンを
多く含む食品を
摂取することがポイントです。
多く含まれる食材は、
肉類・魚類・大豆・乳製品です。
以下参考までに食材です。

またセロトニンを作るには、
トリプトファンだけでなく、
ビタミンB6と鉄分も必要です。
- ビタミンB6:果物・豆類・レバー・肉類・赤身肉
- 鉄分:貝類・豆類・レバー
こうやってみると、
豆類とレバーに必要な栄養素って
含まれているんですね。
また、お腹に食べ物を入れる行為は、
体内時計を整える効果があります。
なので、朝食も決まった時間に
摂取することが大切です。
手順2:日中に光を浴びる

トリプトファンからセロトニンを
作るために大切なのが
光を浴びることです。
日中に30分〜1時間程度、
日光浴をする時間を作りましょう。
現代人の生活は、
屋内で過ごすことが大半なので、
慢性的な光不足で
睡眠障害が起きている人も多くいます。
それくらい光って
睡眠にも健康にも
大切なのものなのですが、
「日光浴をする時間が避けない、、、」
こんな方もいると思います。
この場合の対策は、
【窓辺からでも良いので光を浴びる時間を作る】
という方法をとってみてください。
ちなみにセロトニンは、
別名「幸せホルモン」とも呼ばれていて、
日中の活力や精神的な安定性、
幸福感といモノを感じやすくなります。
メラトニンを作る際の注意点

ただし、夜間に強い光を浴びると
メラトニンは分泌量が
減少することが分かっています。
その辺りは、こちらで解説をしているので、
合わせてご覧ください。
メラトニンは若返りにも効果がある

実はメラトニンは、
睡眠の質を上げるだけではなく、
若返りやアンチエイジングにも
効果があると分かっています。
スペインのレオン大学の研究者たちは、
パリで開かれた欧州肝臓学会で、
ラットにメラトニンを
経口摂取させたときの
肝臓の若返り効果を発表しました。
また、医療大国アメリカでは、
- ガン
- アルツハイマー
- 老化予防
メラトニンは
これらの効果がある
「魔法のホルモン」であると表現していて
一時期大変話題になりました。
まとめ
- 睡眠の質=メラトニンホルモンの量
- メラトニンは10歳から分泌が減少する
- 睡眠の質を上げるのは朝食が大切である
- メラトニンを作るには、朝食でトリプトファンを摂取し、日中光を浴びることで作られる
- メラトニンには、アンチエイジング、若返り効果も期待されている。
『睡眠の質を上げるには朝食が大事!!』
ぜひ、今日からあなたも試してみて下さい。
睡眠と中医学の専門家
依田恭平