睡眠の専門家の依田恭平(よだきょうへい)です。
今まで睡眠についてお話を進めてきましたが、今回は1人1人にマッチした睡眠時間の理想的な摂取法についてご紹介していきます。
目次
人それぞれ異なる睡眠時間の理想について

睡眠時間の理想的な摂取の前に、「ゴールデンタイム」のお話をしましょう。
「ゴールデンタイム」というのは、睡眠の質が一番高い寝始めの3時間の事です。
この時間帯に一番、成長ホルモンの分泌が盛んになり、肌や疲労回復、脳のリカバリー、そして身体全体のアンチエイジングを行いつつ、自己免疫力を高める「美と健康維持の修復時間」を指しているのですが、それでは人間は何時間の睡眠時間が理想的なのでしょうか?
実は理想的な睡眠時間は人それぞれ異なっているんです。
詳しくご説明してきましょう。
睡眠時間の理想タイプは大きく分けて3種類ある

睡眠時間の理想的タイプは大きく分けて3種類となります。
- ショートスリーパー
- ミドルスリーパー
- ロングスリーパー
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ショートスリーパー
世の中には「ショートスリーパー」と呼ばれる珍しい人々がいます。
ショートスリーパーで有名な偉人と言えばナポレオンです。
諸説ありますが、彼は1日3時間程度の眠りが常だったそうです。
他には発明王エジソンも4、5時間の睡眠で回復したと言われていますし、最近ではサッチャー元首相やビルゲイツ氏などもショートスリーパーとして知られています。
世界的に有名な彼らは、忙しすぎて寝る間を惜しむという面も勿論あったのでしょうが、それぞれの分野を極めた偉人達の睡眠時間が短いのは実に興味深いです。
ミドルスリーパー
大半の人々がこの「ミドルスリーパー」と呼ばれる分類に属しています。
ミドルスリーパーとは、およそ6時間半から8時間の睡眠を摂取している人を指し、かつこの睡眠時間で健康を害さない人たちのことです。
ロングスリーパー
一方で9時間以上睡眠を取らなければならない人を「ロングスリーパー」と呼んでいます。
ロングスリーパーで有名なのがアインシュタインです。
充分に睡眠時間を摂取しているのにも関わらず、起きている時に眠気がある人(ナルコレプシー)や躁鬱の病、脳障害を抱えている人もロングスリーパーの傾向が見られますが、それとは別で長く眠る事で回復できる「ロングスリーパー」が存在します。
研究者や発明家にも多いという報告もあります。
沢山眠らないと健康に悪いは嘘?

今まで充分に睡眠を摂取しないと、健康に害をもたらすと言われてきましたが、睡眠時間の理想は人それぞれだということが分かってきました。
ただし、アメリカの医師による最新の研究によると、おおよそ人類は7時間睡眠が平均的だとされています。
また、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の発表によると、ショートスリーパーの傾向がある人は特殊な第二の遺伝子が関係しているのではないかという研究データも発表されいています。
参照:UCSF
ショートスリーパーになっても健康で長生き出来るのであれば、限りある時間をより有意義に出来ると現在とても注目されていて、様々な指導本なども販売されています。
しかし、ショートスリーパーは遺伝によるものなので、訓練や努力で体得することはできません。
ゆっくりと充分に睡眠時間を取ることを推奨します。
大切なのは自分には睡眠何時間が一番調子が良いのかを理解する事

ここで是非試して頂きたいことがあります。
それは、自分の睡眠時間の理想を知る事です。
「沢山寝た方が身体に良い」と今まで睡眠時間を取ってきた人は「自分は何時間眠った方が目覚めが良く、脳が活性化して身体の調子が良いのか」をまずはチェクしてみましょう。
おすすめは、眠る時間は統一して、起きる時間を早めてみる事です。
1週間の間に現状の睡眠時間より、1時間短い睡眠日を2日程設けて自身の変化を観察してみましょう。
日中に眠くはならないか?頭はスッキリしているかなどを見極めます。
1時間減らした方が調子が良い場合はその時間を1か月ほど実施してもらい、体調に変化が無かったら更に1時間減らす、など自身のペースに合わせてゆっくり期間を設けて行ってください。
まとめ
今回は睡眠時間の理想についてご紹介しました。
今まで思い込みで「8時間眠らない!」と思っていた人も多いかと思います。
ショートスリーパーに誰でもなれるわけではありませんが、実は1時間半少ない方が調子が良かったとか、やっぱり1時間多く寝た方が頭が冴えたなどの変化は誰もが実感出来る事です。
人間にとって睡眠時間は必須のものですが、自身にあった理想の睡眠時間を知る事でより、人生のゆとりが生まれます。
早く起きて時間が出来た人は是非、太陽のエネルギーを感じながら朝の散歩に出かけてみましょう。
今まで気づかなかった事がきっと見つかるはすです。
睡眠の専門家
依田恭平