睡眠の専門家の依田恭平(よだきょうへい)です。
「睡眠の質を上げる食べ物って何かあるんですか?」
日々、睡眠に悩みを抱えるクライアントの相談に乗っているとこんな質問を受けることがしばしばあります。
睡眠というのは、減点方式のようなもので、「これさえ食べればあとは何もしなくても大丈夫!」というような魔法の一手はありません。
しかし、睡眠の質を上げる食べ物というのは存在します。
今日はこの事について書いていきます。
目次
そもそも睡眠の質とは何か?
睡眠の質を上げる食べ物の話をする前に、まずは睡眠の質とは何か?について記載します。
睡眠の質の正体はメラトニンというホルモンがどれだけ分泌されるかとイコールだと考えて良いでしょう。
メラトニンとは、起床時から14時間後より分泌が始まり、その約2時間後に分泌が最大になります。
このホルモンは眠気を誘い、熟睡感を与えてくれる役目があるため、体内でしっかり作られ、分泌がされている人は「良く寝たー!」という熟睡感を体感することができます。
しかし、問題はこのメラトニン、10歳を境に分泌が減少してくるため、意図的に作って上げる必要があります。
では、これがどうやったら作れるのかというと、朝食が鍵を握っています。
朝食にトリプトファンを摂取する

睡眠の質を上げる食べ物とは、ずばり必須アミノ酸のトリプトファンを含んだ食材のことです。
トリプトファンは、日中に感情を落ち着かせるために働くセロトニンとう物質に変わり、夕方頃になると生体リズムを整えるメラトニンに変化します。
トリプトファン→セロトニン →メラトニン
という具合に変化をしていくので、トリプトファンはメラトニンの前駆物質だと言えます。
ポイントは、このトリプトファンを含んだ食材を朝に食べることが大切です。
トリプトファンが含まれる食材は?

では、睡眠の質を上げる食べ物である、トリプトファンを豊富に含む食材をご紹介します。
色々種類がありますが、下記のような食材に豊富に含まれています。
- バナナ
- 豆乳
- 牛乳
- プロセスチーズ
- ひまわりの種
- アーモンド
- 肉類
- 赤身魚
- 糸引納豆(発酵食品)
- すじこ
- たらこ
- そば
こういった食材に豊富に含まれているので、朝食で摂取すると望ましいです。
トリプトファンを含むオススメの朝食

ここで一つ、睡眠の質を上げる食べ物である、トリプトファンを豊富に含む朝食のオススメのメニューを伝授します。
それは豚汁です。
豚汁は、豚肉やお味噌などトリプトファンを豊富に含む食材を使用して作られる料理です。
さらに、人参や大根などお好みで野菜も摂取できるので、非常にバランスの良い食事と言えます。
その他の睡眠の質を上げる食べ物

睡眠の質を上げるためには、前述したとおり朝食にトリプトファンを含む食べ物を摂取することで、メラトニンを作ることができるのですが、それ以外にもあるので紹介します。
テアニン
テアニンはストレス解消や神経を鎮静化させてくれる効果があるので、リラックス効果ができます。
テアニン は緑茶や玉露に豊富に含まれているので、夜間に摂取するとリラックスできて寝つきが良くなります。
ただし、緑茶にはカフェインが含まれているので、就寝直前に飲んでしまうと逆に眠れなくなる恐れがあります。
なので、就寝の3時間半前までに摂取するようにしましょう。
GABA
昨今、GABA入りのチョコレートやコーヒーが商品化されたことで、一般の人にも認知されるようになった成分です。
GABAは天然アミノ酸のひとつで、γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)を略して、GABA(ギャバ)と呼びます。
主に脳や脊髄で「抑制性の神経伝達物質」として働き、興奮を鎮めたり、リラックスをもたらしたりするので、リラックス効果と安眠効果があります。
GABAを多く含んでいる食材は、トマト、アスパラガス、ジャガイモ、ナス、カボチャなどの野菜。
みかん、発芽玄米、蕎麦、キムチや漬物などの一部の発酵食品の中にも含まれているので、夕食に取り入れると良いでしょう。
睡眠の質を上げるには生活習慣も大事

睡眠の質を上げる食べ物はもちろん大事なのですが、睡眠の質というのは減点方式のようなものです。
睡眠に悪い習慣をどれだけ取り除けるかが大事なので、こちらの快眠12カ条も参考にしてみてください。
まとめ
- 睡眠の質=メラトニンの分泌量
- 朝食にトリプトファンを摂取することでメラトニンが作れる
- 夕食にはテアニンやGABAを含む食材でレシピを作ると効果的
- 生活習慣も整えるとより睡眠の質を向上させることができる
睡眠の質を上げる食べ物はトリプトファンが大事!
覚えておきましょう。
睡眠の専門家
依田恭平