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コラム

薬膳茶コラム
2024年8月26日(月)

ホリスティックヘルスをサポートする薬膳茶とは?

依田 恭平
記事の監修・執筆者

国際薬膳茶師 依田 恭平(よだきょうへい)

一般社団法人日本薬膳研究会 代表理事
株式会社薬膳の極み 代表取締役

埼玉県所沢市出身。都内の専門学校で柔道整復師の国家資格を取得後、中医葯学大学5年実技学習相当を修了。後に国際薬膳専業資格評審会認定 国際薬膳茶師も取得。推拿(すいな)という伝統中医学の施術と国際薬膳茶師の資格を活かして、3歳児〜101歳の高齢者まで臨床で関わり、不眠症から脳梗塞、糖尿病や精神疾患など様々な症状の臨床経験も積む。

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近年、注目されている「ホリスティック」、それを活用した「ホリスティックヘルス」という概念をご存知でしょうか。

心身ともに健やかに保つ効果が期待できるといわれているホリスティックヘルスですが、明確な意味合いがわからないという方もいることでしょう。

国際薬膳茶師である依田恭平が、ホリスティックヘルスの特色、ホリスティックヘルスと薬膳茶の関係などについて、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

ホリスティックとは

ホリスティックヘルスの「ホリスティック」とは、人間の身体的な健康だけでなく、精神面を含めた全体を対象とする概念です。

人間が生きることを「いのちの営み」ととらえ、人間の良い面だけでなく限界点・欠落した部分も肯定して尊重する概念を指します。

そしてその概念を取り入れた医学がホリスティック医学です。ホリスティック医学は、「医学的な見解で数値が正常の範囲内であれば問題ない」「病気ではないから問題ない」といった考えではありません。

身体だけでなく、精神面・環境面が調和して、最高水準の「性の質」を持っている状態こそが、本当の健康であると定義しています。

ホリスティック医学の概念を構成している要素は、次の5つです。

  • ホリスティックヘルス:ホリスティック(全的)な健康観に立脚
  • 自然治癒力:自然治癒力を癒しの原点として解釈
  • 患者自らが癒す姿勢:患者が自ら癒し治療者はあくまでも援助にまわる
  • 治療の選択・統合:さまざまな治療法を選択・統合し最も適切な治療を敢行
  • 病の意味を洞察:病の深い意味に目を向けて自己実現の達成のために行動

このようにあらゆる考えを持って人間の心身の健康に対応するのが、ホリスティック医学の定義となっています。

そして、その概念を構成している要素の一つが、ホリスティックヘルスです。この要素については、次の段落で解説します。

ホリスティックヘルスとは

ホリスティックの概念を医学に発展させたのがホリスティック医学ですが、このホリスティック医学を形成している考えの一つを担っているのが、ホリスティックヘルスです。

医学という概念は人間を健康に導くのがゴール地点だと思われています。確かにそれは決して間違いではないですが、この健康という状態についてより深く考えることが重要です。

ホリスティックという概念を通して現在の医療体制を見ると、以下のような問題点が浮上してきます。

  • 医学教育では病気の症状・対応については教えても健康のことは教えない
  • 健康診断では、自律神経・メンタルの診断をしない

身体的な部分は診断をすれば数値などで具体的な状態が把握できます。しかしメンタル面に関してはわかりやすく視覚化・数値化できないため、どうしても明確な対応ができません。

これらに関する問題点について、以下より説明しましょう。

一般的にまだ理解されていない自律神経・メンタルに関する問題

昔に比べたらメンタルに関する病気も一般に浸透してますが、まだ完全に把握・対応できていないのが、医療の現状といわれています。

特に問題なのが、自律神経に関する判断です。自律神経に関する病気である自律神経失調症は、医療的に公式の疾患名として決められていません。

医学的な定義がないということは公式の診断基準が存在せず、病院・医者によって診断・対処や治療法が違うという特徴があります。

また、診断・検査をしても具体的な病名がわからなかった場合、暫定的に自律神経失調症と診断されるケースも珍しくありません。

そして、明らかに自律神経に乱れが生じているのに、身体的な状態に何も異変がない場合は「問題なし・いたって健康」という判断をされる場合もあります。

また、よくある話なのが、自律神経に関する問題を抱えていても、それを職場に伝えないという例です。メンタルに関する問題を抱えている人は「仕事の足を引っ張る厄介な人材」というレッテルを貼られます。

なかにはメンタルの病気と知った途端に、すぐに解雇処分を下すところもあるでしょう。それを恐れて自律神経失調症などの症状がある人は、それを隠して無理をして仕事を続けているという人もいます。

そのような問題点に対応できるのが、ホリスティックヘルスです。

診断しにくい症状に対応できるホリスティックヘルス

メンタル・自律神経に関する症状は、昔に比べると認知されていますが、まだ完全とはいえません。自律神経の不調で仕事などに支障をきたすと、それだけで仕事ができない人間とレッテルを貼られてしまいます。

そのような問題を包み込んで対処できるのがホリスティックヘルスです。目に見えて判断できる身体の不調だけでなく、心や気、そしてそれを取り巻く環境までを問題としてとらえます。

ホリスティックの概念を医学に発展させたのがホリスティック医学です。そしてホリスティックヘルスは、ホリスティック医学を形成している考えの一つを担っています。

身体機能だけでなく、心・環境を良好な状態に持っていくこと、それが本当の健康につながることが、ホリスティックおよびホリスティックヘルスなのです。

ホリスティックヘルスに適した薬膳茶

ホリスティックヘルスの実践において、強い味方となってくれるのが薬膳茶です。薬膳茶で使用される素材には、リラックス・緊張緩和・自然治癒力の効果が期待できます。

薬膳茶においてホリスティックヘルスの作用が期待できる素材を、以下より紹介しましょう。

ジャスミン

正式名称は茉莉花(マツリカ)ですが、日本ではジャスミンという名称のほうで知られているのが、ジャスミンです。

太古の時代では化粧水として使用されていたほどの良い香りが特徴で、その香りの主成分・ベンゼルアセテートは摂取することによって心身の緊張をほぐす働きをします。

それにより自律神経の乱れを整えて精神の安定が達成できて、不眠症を解消する効果も期待できるのが特徴です。また集中力の向上、鎮痛作用の効果も期待できます。

なつめ

なつめは、中国にて桃・あんず・すももと同様に重宝されている果実です。なつめにはパントテンさんという成分が多く含まれており、この成分がストレス軽減・緊張の緩和の働きをします。

パントテン酸には、ストレス・緊張の要素を緩和させる副賢皮質ホルモンの分泌をうながす働きをするのが特徴です。この働きによりストレスに対する抵抗力が向上し、外部からのストレス発生の原因である負荷がかかっても、ストレスが派生しにくくなります。

ストレス・緊張の原因に対する抵抗力が強くなると起きるのが、心の安定です。それにより日ごろのイライラ・心の不安定さがなくなり、夜になっても深い眠りにつけて安眠できます。

また、冷え性・貧血・むくみなどにも改善の効果が期待できるため、日頃の悩みが解消されて、より心が安定してくるでしょう。

竜眼肉

リュウガン・ロンガンという名称でも呼ばれている果実が、竜眼肉です。肉という文字がありますが、果実の一種で動物の肉ではありません。

竜眼肉にも、心身の疲労回復・リラックス効果・それに伴う不眠症の改善などが期待できます。薬膳茶の素材として使用した場合、甘い口当たりが心地よいため健康面の改善だけでなく、普通の嗜好品・デザートとしても楽しめるのも特徴です。

おわりに

ホリスティックおよびホリスティックヘルスという考えを日常に導入すれば、現状より健やかな毎日を過ごせます。そしてホリスティックヘルスを促進させるのが薬膳茶です。

この機会に薬膳茶を用いたホリスティックヘルスを、お試ししてみてはいかがでしょうか。

 

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