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コラム

薬膳茶コラム
2024年7月14日(日)

薬膳茶は睡眠の質の改善にも役立つ?その理由・快眠のポイントを解説

依田 恭平
記事の監修・執筆者

国際薬膳茶師 依田 恭平(よだきょうへい)

一般社団法人日本薬膳研究会 代表理事
株式会社薬膳の極み 代表取締役

埼玉県所沢市出身。都内の専門学校で柔道整復師の国家資格を取得後、中医葯学大学5年実技学習相当を修了。後に国際薬膳専業資格評審会認定 国際薬膳茶師も取得。推拿(すいな)という伝統中医学の施術と国際薬膳茶師の資格を活かして、3歳児〜101歳の高齢者まで臨床で関わり、不眠症から脳梗塞、糖尿病や精神疾患など様々な症状の臨床経験も積む。

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国際薬膳茶師の依田恭平です。

不眠・浅い眠りが続き、良質な睡眠がとれない人におすすめなのが、薬膳茶です。体に良いイメージのある薬膳茶ですが、なぜ質の高い睡眠にも関係しているのでしょうか。

今回は、薬膳茶が睡眠に与える影響について、質の高い睡眠がとれない原因などについて、詳しく解説していきましょう。

お茶を飲むと眠れなくなる?そのイメージはなぜ?

「お茶を飲むと眠れなくなる」というイメージを持っている人もいると思います。なぜそのようなイメージが定着したのでしょうか。お茶を飲むと眠れなくなるといわれているその理由について次より説明しましょう。

眠れなくなる原因はカフェイン

お茶を飲んで眠れなくなるのは、一部のお茶に含まれている成分である「カフェイン」が原因です。カフェインには、眠気覚まし・集中力、運動能力の向上・疲労回復・鎮痛作用などの効果が期待できます。

これらの効果があるのは、カフェインには中枢神経を刺激する作用があるからです。人間の体は疲労を感じるとアデノシンという物質が働いて、心拍数が下がり心身ともにリラックスした状態になります。

しかしカフェインを摂取すると、本来アデノシンと結合する受容体が先にカフェインと結合してしまい、それにより起きるのが心拍数低下の抑制です。さらに快楽物質と呼ばれているドーパミン分泌が促進され興奮状態に陥り、目が冴えてしまうのです。

ただし、カフェインは飲み物全般に配合されているわけではありません。カフェイン配合の飲み物の代表格は以下のものです。

  • コーヒー
  • 紅茶
  • 緑茶
  • コーラ

これらが一般的に普及しているため、「お茶=飲むと眠れなくなる」というイメージにつながっているといえます。

冷たいお茶も要注意

カフェインが含まれていないお茶であっても冷たい飲み物は問題があります。特に暑い季節にはキンキンに冷えた飲み物を過剰摂取してしまう傾向がありますが、冷たい飲み物を飲み過ぎると体が冷えてしまい、それによって起きるのが血行不良です。

また、冷たい飲み物で体の熱が奪われると体が固くなってしまい、リラックスした状態になれません。そして、水分を撮り過ぎると睡眠中に何度もトイレで起きてしまうため、深い眠りにはつけない状態になります。

緑茶はお湯ではなく水出しをすればカフェインが抽出されないため、アイスであれば飲んでも問題ありません。ただし、キンキンに冷えたものを大量に摂取するのは安眠を妨げるので注意です。

睡眠改善は薬膳茶がおすすめな理由とは

「お茶はカフェインが入ってるから眠れなくなる、体に悪い」というイメージを持っている人もいるでしょうが、その逆で睡眠改善に役立つお茶も存在します。それが薬膳茶です。

なぜ薬膳茶の摂取が睡眠改善につながるのか、次より薬膳茶の特徴を説明しましょう。

薬膳茶とは

薬膳茶の「薬膳」とは、中国の伝統医学「中医学」を下敷きにして考えられた食事のことです。その人の症状・体質・その時々の季節に合わせて食材・素材を選び、日々の生活のなかで大量不良の改善・健康的な体づくりを進めます。

薬膳茶は、その薬膳の考えを導入したお茶です。飲む人に合わせてさまざまな素材を選択・調合して作成するため、その効果も一定のものではなく、さまざまな効果が期待できます。

薬膳茶を摂取することによって効果が期待できる代表的な例は、以下のとおりです。

  • 免疫力の向上
  • 血行促進
  • 消化機能の促進

期待できる効果は、使用されている素材によって異なります。そして薬膳茶は睡眠改善の効果が期待できるタイプもあるのです。

薬膳茶は睡眠改善にも効果がある

さまざまな効果が期待できる薬膳茶には、睡眠改善にも効果があることをご存知でしょうか。薬膳茶は使用する素材によって鎮静・リラックス効果があるため、摂取することによって深い眠りが実現する可能性が高まります。

安眠効果が期待できるのは、以下の素材です。

  • 蓮の実
  • カモミール
  • ルイボス

それぞれの成分の働きを説明します。

・蓮の実
蓮の花が枯れた後にできる蓮の実は、摂取することによって自律神経を狂いを正常に戻す作用があります。眠りたい時に眠れないのは、ストレス・生活習慣の乱れなどで自律神経が正常に作動していないからです。

自律神経が狂うと不眠だけでなく体の各機能に不調が生じて、日常生活さえ満足に送れなくなる可能性もあります。しかし蓮の実が配合された薬膳茶を摂取すればリラックス効果が期待できるため、心拍数低下の促進・心身共にリラックスした状態になることが可能です。

また、体の機能が正常化すれば血行も良好になり、冷え性改善・代謝向上によりダイエット効果も期待できます。体が健康になれば心の乱れもなくなり、それが深い眠りへとつながるでしょう。

・カモミール
以前からハーブティーに使用されているハーブ・カモミールは、薬膳茶にも配合されています。カモミールが調合された薬膳茶の効果は、安眠作用・リラックス効果です。

体だけでなく心も落ち着かせる効果が期待でき、心身の緊張・外部から受けたストレスによる怒り・不安といった感情を沈静化・緩和させてくれます。

また、鎮痛作用もあり頭痛・神経痛などの痛み・かゆみが緩和されるのが特徴です。痛みやかゆみで睡眠が取れないといった弊害を軽減させてくれます。精神面に強い影響を与えて、それが身体的にも連鎖するのが、カモミールの特徴です。

・ルイボス
血行促進・デトックス効果が期待できるのが、ルイボスです。抗酸化・抗ヒスタミン作用・代謝向上の作用もあるため、心身ともに健康的になり、それが快眠・安眠へとつながります。

ミネラルが多く含まれノンカフェインのため、副作用などの心配もなく、小さなお子さん・妊婦さんでも安心して接種可能です。

飲むタイミング・量などにも気を配る

睡眠改善にも役立つ薬膳茶ですが、ただ大量に飲めばいいというわけではありません。薬膳茶の効果をより引き出すにはどのような飲み方をすればいいのか、次より気をつけるポイントを紹介しましょう。

薬膳茶の温度

人間の体は睡眠中に体温が下がる仕組みで、活動中・睡眠中の体温差が大きいほど深い眠りにつけるといわれています。

そのため、就寝時間の1〜2時間前にあたたかい薬膳茶(40〜50度ほどの熱さ)を摂取することがおすすめです。そうすれば体があたたまり、就寝中の体温の差が大きくなります。冷たい飲み物だと体が冷えてしまい、体温差が小さくなるので注意です。

薬膳茶の量

薬膳茶が効果が期待できるからといっても、多量に飲んでしまうと夜間のトイレ回数が増えて夜中に何度も目が覚めてしまいます。コップ1杯分(150〜200ml)が適量です。

薬膳茶を飲むタイミング

先述したように睡眠は体温の差が大きいほど快眠につながります。就寝直前に薬膳茶を摂取すると体温の差に変化が起きにくくなるため、就寝1〜2時間前に飲むようにしましょう。

日頃の過ごし方の改善も重要

睡眠改善をして良質な睡眠時間を実現するためには、薬膳茶の接種だけでなく普段の過ごし方にも気を配らないといけません。

気をつけるポイントの一つは就寝前のスマホ操作です。スマホ画面から発せられる光を浴びると眠気を促進させるメラトニンというホルモンの分泌が抑制されます。就寝時間の1〜2時間前にはスマホ画面を見るのをやめましょう。

また、就寝前にストレッチなどをすることも、良質な睡眠には効果的です。それにより緊張した筋肉が柔らかくなり、リラックスした状態で就寝できます。

おわりに

薬膳茶は、体に良いだけでなく睡眠改善にも役立つ飲み物です。体に良い作用をもたらす面がありつつ眠気を遮断してしまうカフェインが含まれていないため、安心して接種できます。

ただし、薬膳茶はあらゆる素材によってつくられているものなので、睡眠改善に有効な成分が配合されているか、事前に確認することが大事です。

睡眠改善のためのポイントをしっかりと押さえて、良質な睡眠を実現させましょう。

国際薬膳茶師 依田恭平は、一人ひとりに合った薬膳茶をご提供しています。

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