茶瞑想の時のおすすめの音楽って何が良いの?
茶瞑想の時の音楽って何が良いの?
茶瞑想研究家
国際薬膳茶師の依田恭平です。
「茶瞑想の時の音楽やBGMって何かおすすめありますか?」とよく聞かれます。
確かに、音は空間の雰囲気を大きく変えますし、音楽一つで瞑想に入りやすくなったりもするでしょう。
静かな音楽を流すだけで落ち着いた気持ちになることもありますし、逆に騒がしい音が続くと、どこか気疲れしてしまうこともあります。
実際、茶瞑想において“音”はとても重要です。
ただし、「何でも良いからリラックス音楽を流すこと」はおすすめできません。
重要なのは、五感に入りやすい音環境をつくることです。
今回は茶瞑想における「音」の考え方と、おすすめの音について詳しく解説していきます。
なぜ茶瞑想において「音」が重要なのか

私たちは普段、思っている以上に音の影響を受けています。
例えば、
・スマホの通知音
・テレビの音
・人の話し声
・車の音
こういった情報は、無意識のうちに脳へ入り続けています。
聴覚は寝ている間ですら完全には止まらない感覚とも言われており、常に周囲の情報を拾い続けています。
つまり、音環境というのは、私たちの緊張状態や集中状態に大きく影響しているのです。
茶瞑想研究家の依田恭平が体系化した茶瞑想(ティーメディテーション/Tea Meditation)は、茶を淹れ、味わう一連の所作を通じて五感を使い、思考を鎮めながら心と身体を整える瞑想法です。
五感を通して“今ここ”に戻ることを大切にしているので、聴覚からキャッチするどんな音に囲まれているかは、とても重要になります。
とはいえ、完全に静かな空間を作る必要は必ずしもありません。
むしろ重要なのは、「どんな音なら、自分が感覚に入りやすいか」ということです。
茶瞑想におすすめの音

茶瞑想では、音楽そのものを楽しむことが目的ではありません。
大切なのは、五感に意識を向けやすい“空間”を作ることです。
音は空間の空気感や意識の向き方に大きく影響します。
例えば、静かな音に安心したり、雨音を聞くと落ち着いたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
実際、聴覚は無意識にも脳へ影響を与え続けており、どんな音に囲まれているかによって、感覚への入りやすさも変わってきます。
こうした「五感と脳の関係」については、
下記の記事でも科学的な視点から詳しく解説しています。
そのうえで、ここからは茶瞑想と相性の良い音を紹介していきます。
① 無音
まず、実はおすすめなのが「無音」です。
無音と言っても、完全な無音ではありません。
部屋の空気感や、遠くの生活音など、多少の音は自然と存在している状態です。
ただ、音楽を流さないことで、
- お湯の沸く音
- 湯気の立つ音
- 茶器が触れる音
- お茶を注ぐ音
こういった“茶瞑想中の音”がとても鮮明になります。
これは非常に重要で、なぜなら、茶瞑想では「何か特別な音を聴く」ことではなく、今ある感覚に意識を向けることが大切だからです。
実際の茶瞑想の具体的な手順については、
下記の記事で詳しく解説しています。
特に茶を淹れる音には独特の静けさがあります。
お湯を注ぐ音や、急須の中で茶葉が開いていく時間。
そこに意識を向けていると、自然と思考が静まっていきます。
実際、茶道の世界でも「音」はとても大切にされています。
茶室では余計な装飾を削ぎ落とすことで、普段は気づかない感覚が立ち上がりやすくなります。
これは音も同じです。
静かな環境ほど、感覚が研ぎ澄まされていきます。
一つ注意点としては、普段頭の中が騒がしく、不安やネガティブなことをグルグルと反芻してしまう人が、急に静かな環境に身を置くと逆に反芻思考が強くなる恐れがあります。
ですので、こういった場合は何かしら音楽を流す方が入りやすくなったりするので、今の自分の状態で決めてみましょう。
② 自然界の音
次におすすめなのが自然界の音です。
例えば、
- 雨音
- 川の音
- 風の音
- 鳥の声
こういった自然界の音は、心地良さを感じられる音なので、茶瞑想と非常に相性が良いです。
なぜ自然界の音が心地よく感じやすいのかというと、自然界の音には「1/fゆらぎ」と呼ばれる不規則なリズムが含まれているからだと言われています。
これは、規則的すぎず、不規則すぎない。
自然特有のリズムです。
人間の心拍や呼吸にも近いリズムと言われており、緊張を緩めやすい特徴があります。
また、自然音には“意味”が少ないという特徴もあります。
例えば歌詞のある音楽だと、脳は言葉を理解しようとしてしまいます。
すると、どうしても思考が動きやすくなります。
一方で、川の音や雨音には、基本的に意味がありません。
だからこそ、思考を刺激しにくく、感覚へ入りやすいのです。
私自身も、茶瞑想をするときは雨音や川の音を流すことがあります。
特に雨音は、空間全体を包み込むような感覚があり、非常に集中しやすくなります。
③ 和楽器・アンビエント
もし音楽を流したい場合は、
- 尺八
- 琴
- アンビエント音楽
- ドローン系の音楽
などもおすすめです。
茶瞑想は茶器を使用することが多いと思うので、やはりこういった和を連想させる音楽は雰囲気が出ます。
また、和楽器やアンビエントの音楽は主張しすぎない点も非常に良いです。
茶瞑想では、音楽そのものに意識を向けすぎると、逆に感覚から離れてしまうことがあります。
そのため、“空間に溶け込むような音”が相性が良いのです。
また、テンポが速い音楽よりも、ゆっくりとしたリズムの方が呼吸も落ち着きやすくなります。
特に、和楽器の音は余白が多く、音数も少ないため、茶の時間との相性がとても良いです。
どこか「間」を感じられる音楽は、茶瞑想にも向いています。
逆におすすめしない音楽

逆に、茶瞑想の時にあまりおすすめしない音もあります。
例えば、
- 歌詞が強い音楽
- テンポが速い音楽
- 感情を大きく揺さぶる音楽
などです。
もちろん、好きな音楽を聴くこと自体は悪いことではありません。
ただ、茶瞑想の目的は「感情を盛り上げること」ではなく、感覚に戻ることです。
そのため、刺激が強い音楽は、思考や感情を活性化させやすくなります。
特に歌詞は、無意識に意味を追ってしまうため、脳が休まりにくくなることがあります。
もし音楽を選ぶなら、
「集中させる音楽」よりも、
「感覚に入りやすい音」
という視点で選ぶのがおすすめです。
依田が実際によく使う音

ちなみに、茶瞑想研究家の依田自身が茶瞑想でよく使うのは、
- 無音
- 雨音
- 川の音
これらが多いです。
そして、実は一番好きなのは、「茶を淹れる音そのもの」だったりします。
お湯を注ぐ音、急須の中で茶葉が開く時間、器が触れる音。
そういった所作の中で自然と醸し出される音に意識を向けていると、自然と呼吸が深くなり、思考が静かになっていきます。
これは単なるリラックスではなく、“感覚に戻っている状態”なのだと思います。
本当に大切なのは「音楽」ではない

ここまで、茶瞑想におすすめの音について解説してきました。
しかし、本当に大切なのは、「どんな音楽を流すか」ではありません。
大切なのは感覚に戻れる状態を作ることです。
つまり、茶瞑想では音楽そのものが主役ではなく、あくまで補助なのです。
極論、音やBGMが無くても茶瞑想に集中できるのなら、それで良いのです。
主役は五感を通して戻ってくる「自分自身」です。
だからこそ、「この音楽じゃないとダメ」と考えすぎる必要はありません。
大切なのは、今の自分が「感覚に入りやすいな」と思える音楽を見つけることです。
まずは一杯のお茶を淹れながら、「どんな音だと、自分は落ち着くのだろう?」そんな視点で自分に合う音環境を探してみてください。





