茶瞑想研究家/国際薬膳茶師 依田恭平 オフィシャルサイト

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コラム

茶瞑想コラム
2026年6月18日(木)

不眠症の人の脳で起きていること|脳疲労との関係を解説

依田 恭平
記事の監修・執筆者

依田 恭平(よだきょうへい)
国際薬膳茶師/茶瞑想研究家

思考を整える「茶瞑想」と身体を整える「薬膳」から、心身のバランスを整える専門家。

埼玉県所沢市出身。柔道整復師として都内の治療院で臨床経験を重ねた後、国際薬膳専業資格評審会認定「国際薬膳茶師」の資格を取得。薬膳茶の知見をもとに、3歳から101歳まで幅広い世代の健康相談に携わる。その数述べ52000名を超える。その中で、多くの人が整えようとするほど考えすぎてしまうことに気づく。思考から離れ、五感を通して感覚に戻る方法として「茶瞑想」を体系化。

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不眠症の人の脳で起きていること

茶瞑想研究家
国際薬膳茶師の依田恭平です。

「布団に入ってもなかなか眠れない」
「夜中に何度も目が覚める」
「眠ったはずなのに疲れが取れない」

そんな睡眠にまつわる悩みを抱えている人は、昨今非常に多いです。

実際、受講生からいただく健康相談の中でも、不眠をはじめ、睡眠関の症状の悩みは年々増えています。

不眠症は一般的には、

  • ストレス
  • 加齢
  • ホルモンバランス
  • 自律神経の乱れ

などが不眠の原因として挙げられます。

もちろん、それらも大きく関係しています。

しかし、近年注目されているのが「脳疲労」です。

「身体は疲れているのに眠ろうとすると目が冴えてしまう」

「眠っても疲れが取れない、朝からだるい」

こんな状態の背景には、脳が休まらなくなっている可能性があります。

今回は、不眠症の人の脳で何が起きているのか。

脳疲労との関係を脳科学の観点も交えながら解説していきます。

不眠症の人は「脳が休まっていない」

私たちは一般的に、「身体が疲れていれば眠れる」と思っています。

確かに肉体労働をした日や運動をした時は、ぐっすり眠れることもあります。

しかし現代人の場合、身体よりも脳の方が疲れているケースが少なくありません。

例えば、

  • 仕事のことを考えている
  • 人間関係が気になる
  • SNSを見続けている
  • 寝る前までスマホを触っている

このような状態では、仮に身体を休めていたとしても、脳は常に働き続けてしまうのです。

その結果、脳は休息モードへ切り替わりにくくなります。脳の休息モードとは、副交感神経が優位になることです。心拍や呼吸が落ち着き、脳や身体の回復が進む状態です。

つまり、不眠症の人は「眠れない」のではなく、「脳が休まる状態へ入れていない」とも言えるのです。

脳疲労が不眠を引き起こす理由

脳疲労とは、脳が情報処理やストレスによって過剰に働き続けた結果、正常な機能が低下している状態のことです。

ここでは、不眠症の人の脳で起きている代表的な変化を見ていきましょう。

交感神経が優位になる

私たちの身体には呼吸や心拍、体温調節など、生命活動を無意識にコントロールしている自律神経が存在しています。

先ほど副交感神経のことを書きましたが、自律神経は大きく分けると、

  • 活動モードの交感神経
  • 休息モードの副交感神経

の二つがあります。

本来であれば、夜になると副交感神経が優位になり、私たちは自然と眠気が訪れます。

しかし脳疲労が強くなると、脳は常に緊張状態になりやすくなり、交感神経が優位なままとなります。

その結果

  • 寝つきが悪い
  • 夜中に目が覚める
  • 眠りが浅い

といった状態が起こりやすくなるのです。

扁桃体の興奮

脳には感情を司る「扁桃体(へんとうたい)」と呼ばれる場所があります。

扁桃体は、不安や恐怖、警戒心などと深く関わっており、「脳の危険探知機」とも呼ばれています。

つまり、強いストレスや情報刺激が長く続くと、この扁桃体が過剰に働きやすくなり、その結果

  • 心拍数を上がる
  • 筋緊張が起こる
  • 警戒状態を作る

などの作用が起こり、脳は「まだ危険があるかもしれない」と無意識に判断し、交感神経が優位になります。

眠ろうとしても脳が休息モードへ切り替わりにくくなるので

  • 考え事が止まらない
  • 不安がぐるぐる回る
  • 夜になると頭が冴える

という状態が起こりやすくなります。

DMNが働き続けている

近年の脳科学では、DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)という脳のネットワークが注目されています。

DMNとは、ぼーっとしている時や何もしていない時に活動する脳の回路です。

このDMNには

  • 過去の後悔
  • 未来への不安(リスクヘッジ)
  • 人間関係

という役割があるため、脳疲労が強い人ほど、このDMNが過剰に働きやすいのです。

ですので、脳疲労状態にあるときに「もう寝よう」と思っても、頭の中でぐるぐるとネガティブなことや未来の不安を考えてしまう「反芻思考」に陥りやすいのです。

これが、布団に入ってから考え事が止まらなくなる理由の一つです。

眠るために必要なのは「安心感」と「感覚」

では、どうすれば脳は休まるのでしょうか。

結論から申し上げますと、眠るためには「安心感」が必要です。

脳の最優先事項は「生存」です。人がポジティブなことよりも、ネガティブなことに目が行きやすいのは、脳が生存を優先するからです。

だからこそ脳は常に

  • 危険はないか
  • 敵はいないか
  • 仲間から外されていないか
  • 次に何が起きるか

こういった出来事を常に探してしまうのです。

脳を休めるために大切なことは、「今は危険はなく、安全である」という認識をさせることです。

人間の脳は、先が見えない状況に不安を感じやすい特性があります。

  • 危険がない
  • 予測可能である
  • コントロールできる

ということを通して、安心安全を認識させましょう。

そのためには、五感を使って思考から離れることが重要です。

私たちの身体から送られる感覚情報は、脳にとって重要な判断材料になります。

  • 温かいお茶を飲む
  • 香りを感じる
  • 湯気を眺める
  • ゆっくり呼吸する
  • 自然の音を聴く

こうした行為を行い、意識を”今ここに戻す”ことで、脳を安心モードへ導きやすくなります。

なぜ、意識を”今ここに戻す”だけで、安心モードになるのか

例えば不安になっている時の脳は、

  • 明日の仕事大丈夫かな
  • あの人に嫌われてないかな
  • 老後どうしよう
  • 病気になったらどうしよう

など、ほとんどが「今この瞬間」ではなく、未来の予測または過去の反芻をしているからです。

脳にとって予測できない未来は、危険の可能性を含みます。

だから扁桃体が警戒し続けてしまうのです。

一方で、お茶の温度を感じている時や香りを嗅いでいる時、自然を眺めたり風を感じるなどの五感を使っている時は、このとき処理されているのは、未来の不安ではなく現実の感覚情報です。

すると注意が、未来の不安から現在の感覚へ移すことができるので、仮想世界である思考から、現実世界である感覚へ戻っていくのです。

仮に、この状態を脳から見てみると、下記のような感じになるでしょう。

温かいお茶を飲んでいる

呼吸がゆっくり

周囲に危険音もない

身体も緊張していない

「今この瞬間は安全そうだ」

安心安全というのは、理屈で考えるのではなく、脳が身体からの情報を総合的に判断して決まるのです。

茶瞑想が不眠に役立つ理由

茶瞑想研究家の依田恭平が体系化した茶瞑想(ティーメディテーション/Tea Meditation)は、お茶を淹れて味わう時間を通じて、五感を使いながら思考を鎮めていく瞑想法です。

茶瞑想では、

  • 茶葉を見る
  • 香りを感じる
  • 湯を注ぐ音を聴く
  • 温度を感じる
  • 味わう

というように、自然と五感を使うことができます。

すると意識が思考から感覚へ移りやすくなり、脳の興奮が少しずつ静まり、自律神経も整いやすくなっていきます。

詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

まとめ

不眠症の人の脳では、

  • 交感神経の過剰な働き
  • 扁桃体の興奮
  • DMNの過剰な活動

などが起きている可能性があります。

不眠は単なる睡眠の問題ではなく、「脳が休まらなくなっている状態」なので、だからこそ大切なことは、無理に眠ろうとすることではなく、まずは脳を静めること。

思考から離れ、感覚へ戻ること。

そんな時間を日常の中に少しずつ作ることが、不眠改善への第一歩になるのかもしれません。

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